NTS的検証! ここ30年間で一番『お買い時』だったのはいつ?

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ここ30年間で最も『お買い時』だったのはいつなのか? ファイナンシャルプランナーの海宝賢一郎さんに「金利」や「税制優遇」などをふまえ、各年代の住宅ローン総返済額にはどれくらいの違いがあるのか、シミュレーションしてもらった。難しいけれど是非読んで欲しい。

2011/8/9up ※ファイナンシャルプランナー海宝賢一郎さんプロフィール

(1)バブル崩壊以後、金利は急降下。ここ数年は低水準で推移

「バブル期の金利水準は今とは比較にならないほど高い。1990年のピーク時には住宅金融公庫の固定金利が5.5%、都市銀行ローンの変動金利が8%強です。バブルが崩壊してからは10年間で金利も急降下し、1998年には固定金利が一時2%まで下がりました。以降、固定は2~3%台前半、変動は2%台で推移しています。また、変動金利の場合だと、金融機関によっては最大1.5%~1.7%もの金利引き下げを実施しているため、適用金利は1%を切っています。このことからも、金利面でみればここ数年が最も条件はいいと思います」

変動金利の推移。今の水準はかなりの低水準!

(2)「フラット35」の登場で、固定金利はリスクが軽減

「先ほど1998年には固定金利が2%になったと言いました。しかし、当時は『段階金利』というものがあり、借入当初は2%でも11年目からは4%に上がってしまうという落とし穴があったんです。11年目以降の負担と生涯コストが跳ね上がるため、当時大きな問題にもなりました。そこで登場したのが【フラット35】。35年間、固定の金利で借りることができる住宅ローンです。例えば今なら金利2.5%前後(2011年7月現在)で35年間固定となります。金利上昇によって返済負担がアップするリスクをとりたくない人にはオススメですね。さらに、【フラット35】Sを利用する際の金利優遇制度もスタート。長期優良住宅などを取得する人に対して、当初10年間の金利を1%引き下げる制度です(募集金額に達する状況になった為に3ヵ月前倒しとなり、2011年9月30日申し込み分で締め切ることになりました。また2011年10月1日~2012年3月31日申込分は当初10年間の金利が0.3%引き下げ、2012年4月1日以降は当初5年間の金利が0.3%引き下げの予定です。変更になる可能性もありますので、詳しくはこちらを確認ください)ですので、今が最大のメリットを受けるチャンスでしょう」

(3)過去最大の住宅ローン減税と税制改正で、メリットが拡大

「金利とともに重要なのが税制優遇措置。特に大きいのが住宅ローン減税です。1978年の導入以降、控除枠の拡充が行われ、1999年~2001年には最大587.5万円、2002年~2004年には最大500万円の控除を受けることができました。その後、景気回復とともに少しずつ控除額は縮小しますが、2009年からは再び最大控除枠が600万円に。過去最大の減税となっています。控除額は年収やローンの借入額で変動しますので600万円の最大控除を受けられる人はごく一部だと思いますが、一般的なケース(年収650万円、住宅ローン借入額3500万円)でも10年間で300万円程度の控除を受けることができるでしょう。また、2009年の税制改正によって、住宅ローン減税による控除額のうち所得税から控除しきれない額は住民税から控除されるようになりました。控除の上限金額は年間9万7500円と少ないものの、10年続けばかなりの負担軽減になるはずです」

(4)ローンの借り入れ総額では、なんと2倍以上の差が

「では実際のところ、各年代の金利によって住宅ローンの総額はどのように変化するのか、シミュレーションしてみましょう」

家族設定

世帯主年齢
35歳
年収
650万円
頭金
500万円
借入金額
3500万円

※自己負担500万円で、親からの贈与分300万円は諸費用に充当

住宅ローン控除シミュレーション

住宅ローン控除シミュレーション

「あくまで借り換えをしない前提ですが、バブル最盛期の1990年と2011年7月では実に3768万円もの開きがあります。さらに、住宅ローン減税も1990年は6年間で最大120万円の控除に過ぎませんが、2011年には住民税と合わせ10年間で最大約300万円の控除を受けることができるのです(上表参照)。金利や税制面でみれば、この30年間で今が一番の『お買い時』といえるのではないでしょうか」

プロフィール

海宝 賢一郎(かいほう けんいちろう)イラスト
海宝 賢一郎(かいほう けんいちろう)
ファイナンシャルプランナー。海宝FP事務所代表。住宅購入設計&住宅ローンの見直しをはじめとするライフプランニング全般の相談業務を行うほか、岡山商科大学での非常勤講師など幅広いセミナーで講師を務める。住宅情報誌、新聞などでのコラム執筆・監修も多数。
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